音楽科におけるAIの活用について2026.9

まず、AIサービスは加速度的に発展しており、どのプラットフォーム(ChatGPT、Gemini、Claude Code、Microsoft Copilotなど)が最適かは、一概には言えません。各自治体で許可されているサービス、もしくは自分のデバイスと親和性の高いもので、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
ここに示す通り、現在では多くの先生方がAIを活用していることも事実です。まったくAIを使っていない教員はこの研究によるとそろそろ一割程度になると思われます。

※GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト令和8年3⽉9⽇「初等中等教育段階における⽣成AIの利⽤に関する暫定的なガイドライン」に基づき⽣成AIを校務で活⽤していますか」

OECDデジタル教育アウトルック2026

「AIは教育において本当に役立つのか」という問いに対しては、世界的にもさまざまな議論や研究が進められています。その代表的な資料の一つとして、「OECDデジタル教育アウトルック2026」が挙げられます。

「AIを活用することで文章の質は本当に向上するのか」「人間の創造性を高めることにつながるのか」といった問いについても、さまざまな研究成果やエビデンスをもとに、世界各国で検討が続けられています。

2026年時点では、AIが教育に一定の可能性をもつことが示される一方で、「AIを使えば自動的に教育効果が高まる」とまでは言えず、その活用方法や学習への影響については、なお多くの懸念や検討すべき課題があります。「OECDデジタル教育アウトルック2026」の中から最近よく取り上げられるトルコでの研究資料をみてみましょう。

こちらの資料をみても、シンプルに紙とAIとで勉強の効率を比べると紙のほうが良いことが読み取れます。一方で教育用に調整されたAI(Tutorとよばれるもの)の開発が進むとAIでの学習が飛躍的に効率になります。そしてそれは遠い未来ではありません、文科省もGoogleなどのプラットフォーマーも教育用AIの開発には力を入れています。

文部科学省、芸術WGの考え

次に文科省の考えを示します 。最新の教育課程企画特別部会の中央教育審議会教育課程企画特別部会令和8年8月4日芸術ワーキンググループでは生成AIの利用に対して、特に慎重な表現が見られます(他教科では肯定的な意見が多くを占める場合もあります) 。学習指導要領ではもともと音楽科の学びを単に「作品を完成させる活動」とは捉えていません。児童生徒が感じる、考える、選ぶ、試す 、失敗する、修正するという経験をしなくなることはよいことばかりではないのです 。現時点では安易に使うこと無く、以下に注意をしながらAIを活用する事がよいのではないでしょうか。

これらを踏まえると、現時点では以下の3点を特に大切にしながら、日々進化し続けるAIと教育とのよりよい関わり方を模索し続けていくことが重要だと考えます。
① 芸術上の重要な決定を誰がしているか
旋律、強弱、速度、音色、構成などの重要な選択を、最終的に生徒自身が行っているか。

② 児童生徒が実際に対象と関わっているか
音を聴く、歌う、演奏する、楽器に触れる、身体や感覚を通した経験が残っているか。

③AIの出力に理由をもって対応しているか
AIの案をそのまま採用するのではなく、 「採用する」 「採用しない」 「一部を変える」「他の案と組み合わせる」といった判断を、根拠をもって行っているか。